カベオリン

加齢に伴い多くの組織で発現が上昇するカベオリン1はMdm2、EGFR、H-Ras、PKC、PKA、TrxR1、PP2A-Cなどと相互作用し、細胞老化の制御に関わっている。カベオリン1の発現増加は老齢ラットの肺、脾臓、脳、老齢マウスの骨格筋、ヒト高齢者の繊維芽細胞、角膜上皮細胞、前立腺上皮細胞、前立腺平滑筋細胞、および大脳皮質で報告されている。角膜上皮細胞におけるカベオリン1の発現はレーザーによる角膜曲率形成術の術後の治癒速度と負に相関する。複製老化を起こしたMSCや骨髄間質細胞、UVにより細胞老化を誘導した繊維芽細胞、および過酸化水素処理により細胞老化を誘導したNIH3T3細胞でもカベオリン1の発現が増加する。細胞老化に伴うカベオリン1の発現増加にはp38MAPK、NF-kB、PC-PLC、COX2などが関わっている。

カベオリン1をMEFに強制発現させると、カベオリン1がp53と競合してMdm2と結合する事で、p53の分解が抑制されて細胞老化が誘導される。角膜上皮細胞にカベオリン1を強制発現させるとEGF/ERK経路による細胞増殖の誘導が阻害される。カベオリン1欠損マウスのMEFでは細胞老化が抑制されている。NIH3T3細胞の過酸化水素処理やA549細胞のブレオマイシン処理、および軟骨細胞の過酸化水素あるいはIL-1β処理による細胞老化の誘導もカベオリン1のノックダウンにより抑制される。IMR90細胞においては、カベオリン1は核内に局在しており、そのノックダウンによって早期老化が抑制されない。

カベオラの形成に必要なPTRF/cavin-1の発現はWI-38細胞やNIH3T3細胞では過酸化水素処理により誘導され、その抑制は細胞老化を抑制させる。この時Mdm2はカベオラに局在を示すが、PTRF/cavin-1が抑制されている場合であってもMdm2の核外移行は認められる(Volonte & Galbiati, 2011 #470)。

TrxR1はカベオリン1との結合により機能が抑制される。TrxR1とカベオリン1の結合を抑制すると酸化ストレスによるp53の活性化が抑制される。PP2A-Cもカベオリン1との結合により機能が抑制され、それによりATMの抑制が解除される。

  • 最終更新:2013-02-13 14:17:09

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード