中心体

中心体はMTOC(microtubule organizing center)とも呼ばれ、二つの中心小体を含み、pericentriolar material(PCM)と呼ばれるアモルファスなタンパク質の集合体の中にある。中心小体は微小管からなる。微小管はαチューブリンとβチューブリンのヘテロ二量体が連結したプロトフィラメントが13本集合した円筒構造で、βチューブリンが露出した側をプラス端、αチューブリンが露出した側をマイナス端と呼ぶ。マイナス端は中心体に局在するγチューブリンリングに結合する。

新しい中心体は通常既存の中心体の近くから、G1-S期にかけて生じ、S-G2期にかけて成熟する。複製された中心体の分離制御にはコヒーシンやシュゴシンが関わっている。中心体の複製はG1/S期におけるCDK2の中心体への局在により制御されていると考えられている。中心体のCep63はCDK1のリクルートを通じてmitosisの開始を制御し、Cep63が欠損すると多倍体化が起こる。哺乳類ではPLK4が中心体の複製制御に重要な役割を果たしており、その過剰発現は中心体の過度の複製を起こさせる事ができる。複製ではない新規な中心体の合成も起こり得て、PCMタンパクであるpericentrinの強制発現はそれを誘導できる。

中心体にはp53やChk1/2の局在も認められ、DNA損傷応答にも関与している事が報告されている。

  • 最終更新:2013-02-13 15:19:46

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