細胞老化とSUMO

SUMO化はE1酵素であるSAE1/SAE2(ヘテロダイマーとして機能する)によるSUMOの活性化と、E2酵素hUbc9とSUMOの結合、そしてPIASなどのE3 ligaseによる基質へのSUMOの転移というプロセスを経て行われる。脱SUMO化はSENP1、SENP2、SENP3、SENP6などによって行われる。

SUMOには哺乳類ではSUMO1、SUMO2、SUMO3が存在し、ヒトではSUMO1はSUMO2/3のアミノ酸配列は46%の一致を示し、SUMO2とSUMO3は96%の一致を示す。SUMO1と異なり、SUMO2/3はポリSUMO化修飾を起こさせる事ができる。また、大部分のSUMO1はconjugated formとして存在しているのにも関わらず、SUMO2/3は主に遊離して存在し、ストレスに応じて結合が強く促進される。

SUMO1によるp53のSUMO化はその転写活性化能を促進させる。HEK293細胞におけるSUMO2/3の強制発現は細胞老化を起こさせ、これはp53やpRbをノックダウンすると部分的に抑制される。このとき、p53とpRbのSUMO2/3による修飾も認められている。細胞をH2O2で処理するとp53のSUMO2/3化修飾が増加するが、SUMO1化修飾には変化は起こらない(Li et al., 2006 #314)。

ヒト繊維芽細胞にPIASyを発現させると細胞老化が誘導されるが、他のPIASメンバーを発現させても効果は無い。PIASyは部分的にSAHFとの共局在を示す。種々のストレスにより細胞老化を誘導した場合にもPIASyの発現増加が認められる。また、PIASyを欠損するMEFでは細胞老化が遅れる。PIASyを強制発現させた細胞ではp53の一部もSUMO化される(Bischof & Dejean, 2007 #315)。

  • 最終更新:2013-02-13 15:15:30

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