2.7 骨

<骨の加齢変化>

閉経に伴うエストロゲンの減少による影響の他、骨自身の加齢に伴う変化も重要な結果をもたらす。加齢に伴い破骨細胞と骨芽細胞による骨の再構築バランスが骨量の減少に傾き、また骨量とは別に骨の強度も低下していく。骨の置き換わりは平均して約10%/年であるが、部位によって大きく異なっている。骨基質を作る骨細胞の大部分はアポトーシスにより死滅するが、一部はそのまま自身の作った基質に埋まって骨細胞となり、長くて50年近くも生きるが、加齢に伴い酸化ストレスなどにより死滅し減少する。グルココルチコイドによってもアポトーシスが促される。骨では11β-HSD1の発現が加齢とともに上昇し、グルココルチコイドの作用が強まる。骨細胞は無駄な骨の感知と破骨細胞/骨芽細胞の誘導、細胞機能の調節、骨基質の適応などに働く細胞で、数の上では破骨細胞や骨芽細胞よりも10倍程度多い。

<ROS、FoxO3と骨細胞の分化>

骨量の低下は30歳代から既に始まる。性ホルモンの補償したマウスでは、酸化ストレス依存的な骨細胞の減少が認められる。骨細胞の酸化ストレス抵抗性に関わる因子にはFoxO3があり、これを骨細胞に強制発現させたマウスでは骨量が増加する。若いマウスでFoxO3を欠失させるとわずか5週間後に骨に老化様の表現系がもたらされる。酸化ストレスはまた骨細胞を骨芽細胞よりも脂肪系列の細胞に分化させやすくする。βカテニン/Wntは骨芽細胞への分化を司っているが、酸化ストレスはβカテニンをWntからFoxOとの協調にシフトさせる。

その他の参考文献
Manolagas & Parfitt, 2010 # 26


  • 最終更新:2012-04-01 13:09:48

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