CEBP

C/EBP転写因子ファミリーはC/EBPα、β、δ、γ、ε、ζから構成され、これらは細胞の成長や分化、免疫応答の制御、およびIL-6やIL-8の発現誘導などに関わっている。C/EBPγ、ζは転写活性化ドメインを欠き、リプレッサーとして機能する。C/EBPα、β、εにはいくつかのアイソフォームが有り、それぞれ転写ドメインを欠くリプレッサーも産生できる。C/EBPεの発現は顆粒球に特異的である。C/EBPζはCHOPあるいはGADD153とも呼ばれる。C/EBPファミリーのタンパクは互いにダイマーを形成する他、他のタンパク、特にCREB/ATFファミリーのタンパクともダイマーを形成できる。ATF4、6はERストレス応答の制御に関わっており、ATF2、3もストレス応答の制御に関わっている。

C/EBPβには翻訳開始点の異なる三つのアイソフォームが有り、長いものからLAP*、LAP、LIPと呼ばれ、LIPのみ転写活性化能を持たない。活性型のRasをMEFに強制発現させると細胞老化が誘導され、不死化された細胞に強制発現させるとtransformationが誘導されるが、いずれの場合にもC/EBPβが必要である。この時LAP*は細胞老化においては必要であるが、transformationにおいては分解されている。TransformationにおいてはLAPが重要な働きを担っている事が考えられる。LAP*はLAPよりもIL-6の発現を誘導する活性が強く、一方でLAPはLAP*と異なりサイクリンD1の発現を誘導できる。C/EBPβによるIL-6の発現誘導はRas強制発現による細胞老化に必要である事が示されている。



  • 最終更新:2013-02-13 13:41:22

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