O-GlcNAc

1,000種類以上のタンパクが、そのセリン/スレオニン残基にO-linked N-acetylglucosamine(O-GlcNAc)修飾を受ける。O-GlcNAc修飾は核膜やクロマチンに多いが、それら以外のものも多く修飾を受けている。O-GlcNAc修飾を担う酵素はOGT、除く酵素はOGA(MGEA5)で、哺乳類ではそれぞれ一遺伝子ずつ有している。OGTは主には核内に存在するが、細胞質にも存在する。ミトコンドリアの内膜には局在シグナルを持つスプライシングバリアントが存在する。OGTはヘキソサミン生合成経路の産物であるUDP-GlcNAcを基質として修飾を行う。OGAは主に細胞質に存在する。OGAにはHAT活性も備わっている。ただし核小体にはOGAが多く、OGTは除かれている。OGTとOGAはユビキタスな発現を示すが、どちらも脳と膵臓では特に発現が高い。

同一のタンパク質においては、O-GlcNAc修飾とリン酸化修飾は、互いに抑制し合っている場合が多い。OGTを含む複合体の中にホスファターゼが存在している事も多い。

O-GlcNAc修飾はストレスや栄養のセンサーとして機能している側面のある事が考えられている。ヘキソサミン生合成経路が受ける影響の他、活性化されたインスリンレセプターがOGTをリン酸化し活性化させる事も報告されている。一方でIRSのO-GlcNAc修飾はPI3Kへのシグナル伝達を抑制する事も報告されており、この事や電子伝達伝達系のO-GlcNAc修飾の増加などは糖尿病と関連づけられている。細胞のO-GlcNAc修飾レベルは様々なストレスに際して速やかに増加し、それは多くの場合細胞のストレスに対する抵抗性を向上させる。O-GlcNAc修飾は、pRbによる転写抑制と相関する他、p53の分解を抑制したり、IKKβを活性化させる事なども報告されている。

OGTはTET2/3と相互作用する事が報告されている。TET2との相互作用は直接的である事が示されており、その相互作用はOGTのクロマチンへの結合およびヒストンのO-GlcNAc修飾化に重要である(Chen et al., 2012)。



その他の参考文献
Hart et al., 2011 # 508


  • 最終更新:2013-02-13 13:59:53

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